お役立ち情報
2026年04月03日
施設管理クラウド「BIMSTOK」について、運営会社の田中代表に聞く
施設の維持管理業務を効率化し、持続可能な管理と安全を支えるBIM/CIMを基盤としたデータ活用クラウド「BIMSTOK」。同製品の開発・販売を行う株式会社アーリーリフレクションの代表取締役・田中喜之氏に、開発経緯や製品の特長などについてお話しをうかがった。
目次
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現場の悩みを解消すべく、「BIMSTOK」を開発
私は、ダム技術者など専門家との交流を重ねる中で、「人が限られている」「後任がいない」といった現場のリアルな悩みを把握しました。膨大な情報や図面が残されていても、それを探したり活用したりするのに多大な時間がかかる現状や、ベテランの方々の貴重な経験を蓄積する場所がないという課題が、BIMを活用した情報集約の仕組み「BIMSTOK」を開発する最大の動機となったのです。
BIMSTOKの開発には、初期段階で1年以上、最新のリニューアルには半年ほどの期間を要しました。特にBIMのビューア(閲覧機)の開発には時間をかけたものの、リニューアルに関しては非常にスピーディに行われました。それを可能にしたのが、コンピューターサイエンスに精通した少数精鋭のメンバーたちです。彼らの高い技術力があるからこそ、短期間で高品質なシステムを組み上げ、市場の変化に即座に対応できる体制を構築できています。
専門知識がなくても直感的に操作できる
従来のBIMシステムは、ハイスペックなPCが必要だったり、維持管理には不要な複雑な設計データが含まれていたりすることが一般的でした。他方、BIMSTOKは「維持管理に関わる人々」を主役に据え、専門知識がなくても直感的に操作でき、現場の点検業務や、新しく配属された管理者がパッと見て状況を把握できることを最優先に設計されています。点検や管理業務に必要な情報へ直感的にアクセスできるUIを重視しました。このように維持管理の現場を中心に設計されている点が、従来の設計用途を主としたBIMツールとの大きな違いです。
BIMSTOKを立ち上げたユーザーの方々が最初に驚かれるのは、普通のスペックの事務用PCやブラウザ上で非常に軽快に動作する点です。高価な専用ワークステーションを必要とせず、誰もが日常的に使っているデバイスで3Dモデルを扱えるようにすることで、導入のハードルを劇的に下げることができました。
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リニューアルで「汎用性」の強化に成功
当社はITとAIに強みを持っており、BIMSTOKを単なるビューアで終わらせるつもりはありません。現在はBIMと情報をひも付ける段階ですが、今後はAIを活用して「人間が重要な判断に集中できる」環境を作ることを目指しています。具体的には、LLM(大規模言語モデル)やRAG(検索拡張生成)を用いたAIアシスト機能により、膨大な管理データからの解析や検索を自動化する研究開発が進んでいます。ユーザーの意見を取り入れながら、データをどう表現し、どう連携させるかをAIの力で進化させていく計画です。
2023年のリリースから約2年後の2025年秋に行われたリニューアルの最大のポイントは、「汎用性」の強化です。初期型は特定の業界の業務に特化した部分がありましたが、リニューアル版ではあらゆるインフラや建築物に対応できるよう、コンセプトを再整理しました。ユーザーごとに管理したい項目が異なるという実態に合わせ、システム側が柔軟に形を変えられるように土台を作り直したのです。これにより、道路、橋、ダム、ビルなど、対象を問わない展開が可能になりました。
リニューアルのメイン機能として導入されたのが「ノート機能」です。ノートとは、維持管理情報をまとめる記録の単位です。関連する情報を一箇所に集約し、BIMモデルと一体的に結びつけて管理できます。会社や現場ごとに異なる管理ルールや、これまでの独自の記録方式を、そのままBIM上にマッピングできます。このノート単位での整理により、情報の柔軟性が飛躍的に向上し、ユーザーが自分たちの運用に合わせてBIM上に情報を重ねて管理できるようになりました。
現場の細かなニーズに対しオプション機能を提供
BIMSTOKの活用を特におすすめしたいのは、施設の維持管理やメンテナンスを担う技術者の方たちです。また、アセット(資産)管理の側面から電力量などのデータを一括管理したいというニーズにも対応可能です。「BIMと何らかの情報を結びつけて活用したい」と考えるすべての方に向けた製品であり、特に施設の運用・維持管理フェーズにおいて、最もその真価を発揮します。
建設・インフラ業界は非常に専門性が高いため、汎用機能だけではカバーしきれない固有の業務が存在します。その点を踏まえ、今後は特定の業界やユーザーの典型的な業務により寄り添えるよう、オプション機能の強化を進めていきます。「あともう少しここがこうなれば便利なのに」といった現場の細かなニーズにも応えられるよう、柔軟なカスタマイズ性を通じて、お客様が抱える課題の解決につなげていきたいと考えています。
BIMSTOKにより技術者は本来やるべき仕事に注力できる
実際のユーザーからは、散在する大量のマニュアルをBIMで一元管理したいという要望や、点検時の映像データをBIMと連携させたいという声が届いており、こうした具体的な悩みを吸い上げ、順次システムに反映させています。開発サイクルが非常に早いため、現場のフィードバックがすぐに製品のブラッシュアップにつながるサイクルができているのです。「現場の知恵」をデジタル資産として蓄積し、将来の維持管理や意思決定に活かせる形にしていくことが、当社の使命だと考えています。
建設業界において若手人材の確保はもちろん大切ですが、同時に「ベテランが持つ貴重な知見を、いかに若手に引き継ぎ、施設の資産として残せるか」も重要だと思っています。情報の検索や整理といった付随業務をBIMSTOKに任せることで、技術者が本来やるべき「大事な仕事」にフォーカスできる環境を作ること。それこそが、当社が目指すITによる社会貢献の形です。
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プロフィール
田中 喜之 氏
東京大学大学院(科学基礎論大講座)修士課程修了の後、2002年にソフトウェア開発の「ドリームテクノロジーズ」(現・株式会社トライアイズ)取締役に就任し、以後9年間取締役を務める。事業責任者として、米国セキュリティソフトウェア日本法人の代表をはじめ、建設コンサルタント、IT、通信等、多業種のマネジメントを経験。その後、国内外の新規事業開発業務を経て、2014年に株式会社アーリーリフレクション代表取締役に就任。
このプロダクトの提供元
運営会社:株式会社アーリーリフレクション
住所:〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-22-2 4F
メール:sales@bimstok.com
電話:03-5577-7440
コーポレートサイト:https://earlyref.com/ja
BIMSTOKサービスサイト:https://www.bimstok.com/
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